2019年参院選の大規模買収事件で、河井克行元法相(60)=公職選挙法違反罪で実刑確定=から現金30万円を受け取ったとして、同法違反(被買収)の罪に問われた元広島市議、木戸経康(つねやす)被告(68)の公判が13日、広島地裁で結審した。検察側は罰金15万円と追徴金30万円を求刑。弁護側は「違法な司法取引があった」として、改めて公訴棄却か無罪と訴えた。
弁護側は8月に記者会見を開き、取り調べの録音データの一部を公表。木戸被告は東京地検特捜部の検事から「議員を続けていただきたい。否認にしたくない」などと説明を受け、不起訴を示唆されて供述を誘導されたと主張した。
検察側はこの日の論告で、木戸被告が「検事から、起訴されないとは確約できないと言われた」と公判で述べたとし、「違法な司法取引があったとは認められない」と訴えた。
一方、木戸被告は最終陳述で「取り調べで事実を述べているのに内容を否定された。家宅捜索をほのめかされ、協力すれば起訴はないと繰り返し言われた」と述べ、被買収の認識も否定した。
木戸被告は、河井元法相の妻案里氏(50)=同法違反罪で有罪確定=の選挙運動報酬と知りながら、19年4月に現金30万円を受け取った罪に問われている。判決は26日の予定。(大野晴香、根本快)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル